Amazonで発売中のエアブラシメンテナンスAll -in-oneキットの使用方法を説明します。
エアブラシメンテナンスAll-in-oneキット(2023年6月内容物をUPDate)

ニードルパッキンネジ専用ドライバー&エアーバルブレンチ1本化、メンテナンスニードル(ノズルレンチ付き)、ノズルクリーニングニードル、クリーニングブラシ2mm、3mm、高粘度グリス、ノズルシール剤
各パーツの説明
- ニードルパッキンネジ専用ドライバー&エアーバルブレンチ(1本化にUPDate)
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ニードルパッキンネジを脱落せずに脱着出来るドライバーです。
エアーバルブのネジを脱着する為のレンチとなります。取り付け時にネジを均一に押さえる事が出来ますので、ピンセットなどよりも容易に取り付けが可能です。
(注意)エアーバルブ止めネジの精度が悪い機種の場合使用出来ない事があります。
- ノズルセンターツール(NEW
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ノズル交換の際に生じるセンター位置のズレを補正するツールとなります。特徴はノズルが取り付けられた状態でも調整が可能な点です。具体的な使用方法は、ツールをノズルと本体の間にある溝に差し込み、倒し加減によって大まかなズレを修正し、押し込み加減によってセンター位置を微調整します。
- メンテナンスニードル
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詰まった塗料の除去や折れたノズルの取り出しなど様々な場面で使用出来ます。キャップ部分はノズルレンチとなっております。一見ノズル内部の掃除に使用出来そうですが、ノズルを痛めてしまう恐れがある為ノズル内部の掃除には使用しないで下さい。
- クリーニングニードル、クリーニングブラシ0.2mm、0.3mm
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クリーニングニードルはノズル内部を掃除するニードルです。口径 0.2〜0.3mmまで対応しています。
クリーニングブラシは小さなパーツの穴にしっかりと入るパイプブラシです。
- 高粘度グリス、ノズルシール剤
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高粘度グリスはエアブラシの可動部分やパッキンなどに使用してエアブラシの動きを滑らかにします。
ノズルシール剤はノズルのネジ部分に必ず塗布します。シール剤を塗らないとエアーが逆流して塗料が途切れたり、塗料が出ない不具合が発生します。
エアブラシメンテナンスAll ~in ~oneキット使用方法
エアブラシを長年使っていると必ずメンテナンスしなければならない不具合が起こります。その不具合はたった1つの原因から、エアーが止まらない、トリガーが動かない、エアーが出ない、塗料が漏れるなどの2次的な不具合を発生させます。グリスアップなどで一時的に症状を誤魔化す事は出来ますが、根本的な不具合を直さなければ何度も同じ症状がでます。
エアブラシメンテナンスAll ~in ~oneキットはたった1つの原因で起こる不具合を根本的にメンテナンス出来ます。また、エアブラシをフルオーバーホールする事も可能です。
エアブラシ背面から塗料が漏れる不具合の修理

エアブラシを長年使用していると、ニードルパッキンネジが徐々に緩んでしまい、ニードルパッキンからエアブラシ背面に塗料が漏れる不具合がほぼ全ての機種で発生します。これが先ほど説明したたった1つの不具合です。
画像の矢印がニードルパッキンネジとなります。
エアブラシ背面に塗料が漏れると、エアーバルブ内部にも塗料が侵入して、まず押しボタンが戻らずエアーが出っぱなしの症状が現れます。
次に漏れた塗料が押しボタン周辺で固まってトリガーの動きが渋くなります。グリスアップで一時的に症状を解消出来ますが、更に塗料が漏れて来ると更に症状が悪化します。
その状態になったらエアブラシ本体を全て分解して掃除をし、ニードルパッキンを増し締めして塗料が漏れてこない状態にする必要があります。
ここでは実際にエアブラシ背面に塗料が漏れてしまった機種を例にエアブラシのオーバーホール方法を解説します。

用意する物
- ピンセット
- 割り箸
- 紙コップ
- 筆
- 洗浄液
エアブラシメンテナンスキットの他にこの5点を予め用意して下さい。洗浄液は様々なタイプがありますので、溶剤系、水系どちらでも自分自身で使用されている物を使用します。
- エアブラシテール部分のパーツを分解
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テールキャップを外し画像の様に分解します。
塗料でパーツが汚れていますので、洗浄方法まで解説します。
- エアーバルブを外す
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エアーバルブレンチを使いエアーバルブ部分を外します。スプリングが飛び出す場合がありますので、注意してゆっくりと取り出します。
エアーバルブレンチは現在ニードルパッキンネジドライバーの反対側に付いています。(1本化しています。)
エアーバルブを止めているネジは機種によっては精度が悪く、エアーバルブレンチが入らない場合があります。その場合ピンセットなどを使用して取り外して下さい。
エアブラシワークスAWシリーズはエアーバルブがアッセンブリで取り外しが出来ますので、分解せずに取り外して下さい。
- エアーバルブ内の筒を取り出す
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エアーバルブ内に真鍮の筒がありますので、割り箸を差して引っ掛ける様に抜き出します。
割り箸はカッターなどでサイズを調整して下さい。
このパーツにはゴムパッキンが付いていますので、溶剤系の洗浄液を使用している方は必ず取り出して下さい。水溶系の洗浄液を使用している方も、塗料の侵入がある場合は取り出します。
- 押しボタンのパッキンを取り出す
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押しボタンのOリングを取り出します。Oリングは画像の位置にあります。
エアブラシワークスAWシリーズはテフロン製のパッキンとなりますので、取り外しは不要です。
ニードルパッキンネジドライバーの先端を使用して反対側からOリングを取り出します。。塗料で汚れていると筒の壁に引っ掛かる場合がありますので、エアブラシを軽く机などに叩いて取り出します。
画像は取り出したOリングです。
- ニードルパッキンネジを取り出す
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ニードルパッキンネジドライバーを使用してニードルパッキンネジを取り出します。
取り出したニードルパッキンネジにパッキンが付いているタイプと付いていないタイプがあります。付いていないタイプはエアブラシ本体に残っていますが、無理に取り出す必要はありません。
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ニードルキャップ、ノズルキャップを外し、ノズルをメンテナンスニードルのキャップ部分に付いているノズルレンチを使用して外します。
- 洗浄液に漬ける
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分解したパーツを紙コップなどに洗浄液を浸し30分程漬けておきます。
溶剤系の洗浄液の場合ゴムパッキンが痛むので、ゴムが付いているパーツは漬けてはいけません。
Brusherアクアエアブラシクリーナーの場合はゴム類が痛む事はありませんにで、全てのパーツを洗浄液に浸します。
- パーツ類を洗浄する
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筆などを使用して汚れを洗浄します。筆は豚毛の平筆が硬さがあって良いです。エアブラシの取説にはやわらかい筆がおすすめと書いてありますが、柔らかい筆でエアブラシは洗浄できません。
クリーニングブラシを使いパーツの穴の中を洗浄します。
テールエリアは大きなクリーニングブラシを使って洗浄します。
エアブラシ本体の塗料通路もクリーニングブラシを使用して洗浄します。
- ノズル内部をクリーニングする
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洗浄液にしばらく浸けた後、ノズルクリーニングニードルを使いノズル内部をクリーニングします。
ノズルクリーニングニードルをノズルに挿入して、中で回転させます。ノズル内部の壁面が汚れている場合、汚れが滲み出てきます。
ノズルクリーニングニードルは0.2mmと0.3mmのノズル口径に対応しています。0.18mmと0.5mmには対応していませんので、その機種のニードルをお使い下さい。
- エアブラシに水を入れ洗い流す
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水溶性の洗浄液の場合はエアブラシに水を入れて洗浄液を洗い流します。水道やバケツなどに水を入れて洗浄しても良いです。
溶剤系の場合は洗浄液をエアブラシに入れて洗い流します。
メンテナンスニードルを使用して、角にこびり付いた汚れを削り落とします。
- エアーバルブの組み付け
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ニードルパッキンネジドライバーの先端にOリングを画像の様に取り付けます。
ニードルパッキンネジドライバーをエアブラシ本体のエアーバルブの穴に挿して、Oリングをエアブラシ本体に取り付けます。
真鍮の筒のゴムパッキン部分に高粘度グリスを塗ります。
エアブラシ本体に取り付けます。
エアーバルブは画像の様な順番で取り付けます。
エアーバルブレンチでネジを取り付けます。
- ニードルパッキンネジ取り付け
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ニードルパッキンネジ部分は塗料がテール側に漏れる原因です。この部分から塗料が漏れて来ない様にネジを少しだけ増し締めします。
画像の様にニードルパッキンネジドライバーにネジを取り付けます。
エアブラシ本体に取り付けます。締め具合はネジが止まった所からほんの数ミクロン締める程にします。ネジの締め具合は重要で、締め過ぎるとパッキンが潰れてニードルが入らなくなります。
ニードルを反対側(尖ってない方側)でニードルパッキンに挿して、パッキンの潰れ具合を見ます。
ニードルを動かして僅かに抵抗がある程度が程良い締め具合です。抵抗が無いと塗料がまた漏れて来ますし、締め過ぎるとニードルが動きません。程良い締め具合にします。
- ノズルの取り付け
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ノズルをピンセットなどで摘み、ノズルシール剤をネジ部分に塗ります。ノズルの穴に入らない様に付け過ぎに注意して下さい。
エアブラシワークスAWシリーズはノズルパッキンが付いていますのでノズルシール剤は不要です。
ノズルレンチで取り付けます。締め過ぎると簡単に折れてしまうので、締まった所から数ミクロン増し締めする様にします。
はみ出したノズルシール剤をウエスなどで拭き取ります。
- ノズルを締め過ぎて折れて締まった場合
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ノズルを強く締め過ぎると簡単に折れてしまい、ネジ部分だけがエアブラシ本体に残ってしまいます。取り出すにはメンテナンスニードルを折れてしまったノズルに強く挿し左に回します。
残っていたネジ部分を取り出す事が出来ます。
- ノズルセンターツール
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ノズル交換の際に生じるセンター位置のズレを補正するツールとなります。ノズルが取り付けられた状態でも調整可能です。
使用方法
ルーペなどを使ってノズルキャップの穴とノズルの位置を確認します。
ノズルの位置が真ん中にある場合は調整不要です。
ずれている場合はノズルセンターツールでノズルの位置をセンターに調整します。
ノズルセンターツールをノズルと本体の間の溝に差し込みます。
倒し具合で大まかな調整をします。僅かに動かすだけでノズルの方向が変わりますので、少しづつ慎重に操作します。
ノズルキャップを取り付けてルーペーで位置を確認し必要なら再度調整をします。
僅かに調整したい場合、挿入具合で微調整が出来ます。初めから僅かなズレの場合、挿入具合で微調整をして下さい。
ノズルキャップを再度付けて位置を確認して下さい。
完璧なセンターに調整するがベストですが、難しい場合はセンターから20%以内の範囲であれば、使用感的には問題はありません。
- テール部分のパーツの
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押しボタンの先端部分にグリスUPします。
押しボタンを組み付けます。切り込みがある方側が後ろになります。
トリガーガイドにグリスUPします。
ニードルチャックとスプリングを着けてレバーアジャスターを装着します。
ニードル固定ナットを装着してニードルを挿入します。
ニードルは簡単に曲がってしまいますので、ニードルの先端に触れない様に注意して挿入します。
テールキャップを付けて完成です。
エアブラシを正しい方法でメンテナンスすれば、長年に渡りお使い頂く事が出来ます。
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